上野まり子のアジアンスター

チャン・ヒョク 今年の目標は短く話す事 バレンタインファンミレポ

チャン・ヒョク

こんにちは 上野まり子です。
『2012チャン・ヒョクバレンタインスペシャルファンミーティング』が2月9日日比谷公会堂で開催された。
イベントのスタートが宣言されると突然客席側から姿を現したチャン・ヒョク氏。嬉しいハプニングにファンは総立ち、握手を求めたり駆け寄ったりと大騒ぎとなった。花を手渡しながら進む彼はなかなかステージにたどり着けない。10分をかけてやっとステージへ。情熱的な歓迎に感謝すると挨拶。なかなか止まない歓声についにMCが“始めて良いですか?”
大興奮で始まったファンミーティング、まずはデビュー15周年おめでとうと暖かい拍手が贈られた。
気付いてみたら長い時間が経過していたが、その間ファンと共にあったことに感謝すると彼、客席から選ばれたファンがお祝いの花束を贈呈した。

さてそんな15年を出演作の名場面で振り返るトークコーナー。最初に選ばれたのは24歳の時の作品『火山高』。一糸纏わぬ後ろ姿はサービスカットといえる1シーン。恥ずかしさは?と訊かれた彼、いかに与えられた人物を忠実に表現するかが大切で、役になりきっている為羞恥心などないときっぱりと言う。ワイヤーアクション等危険な撮影が多く、20分間もの気絶を8回も経験したとエピソードを紹介した。

続いては映画『僕の彼女を紹介します』。当時大キャンペーンを張ったためOSTも合わせて大人気となった作品だ。あの頃と今では感性が違うので同じ様には演じられないと15年の歳月を振り返る。次はドラマ『プランタン』(2008年)、これを最後に入隊することになる。除隊後初作品はドラマ『ありがとうございます』、現場に馴染めるか心配だったが、入隊中ずっと恋焦がれていた現場に復帰出来たことに幸せを感じたという。共演した子役のソ・シネは僕のお嫁さんになると言ったが、“大きくなったら考えてね!”と答えたそうだが、その彼女もすでに中学生だ。
そして初の時代劇で大ヒットとなった「チュノ〜推奴〜」(1210年)。オ・ジホと戦うシーンでは粗末な衣装から覗く胸は鍛え上げられている。アクションものは『火山高』以来2度目、その間長い時間をかけて運動や武術で体作りに励んだ。
ところで多くの作品に出演してきたチャン・ヒョク氏は大先輩達とご一緒する事が多く、現場で見て学ぶことが多いという。そんな大先輩ハン・ソッキュと共演したのがドラマ『根の深い木』。3月17日よりKNTVで本放送がスタートする。また映画『依頼人』はハ・ジョンウとの共演。チャン・ヒョク氏は容疑者を演じた。シリアスな映画だが、現場はリラックスモード、だからこそシリアスなシーンも引き立つとは彼の演技に対する考え方だ。ところで容疑者役の彼のせりふは少なく、次々と沈黙のシーンが続く。話好きな彼としては辛かっただろう。多くを語らず、視線や表情だけで表現するのは難しい事。同時に撮影していたのが、対極の弁護士役を演じたドラマ『マイダス』。『依頼人』を撮影しながら弁護士役を研究したそうだ。この『マイダス』は黒沢明の映画『羅生門』に共通するものがあるそうだ。
このコーナーで絶妙なタイミングで入った「究極の質問コーナー」、これがなかなか鋭い。 長いせりふをすぐに記憶し、かまずに言える力or厳しいスケジュールでも疲れない体力。手に出来るとしたら、どちらを選ぶ?両方欲しいが、強いて選ぶとしたら長いせりふを覚える力。何故ならせりふは覚えるだけではなく、分析し理解して演技を構築する必要があるから。
検事or弁護士、職業として選ぶとしたらどちら?に弁護士と即答。その理由は勿論沢山話せるから。『マイダス』の日本での放送が待たれるところだ。

“チョットマッテテクダサイ。”と彼が一旦ステージを去るとスクリーンには『根の深い木』のメイキング映像。そこにはもくもくと一つのシーンに取り組む彼の姿。モニターを見つめる眼差しは真剣そのもの、撮影は日が傾くまで続いた。そしてCM撮影風景。

再登場は歌のステージ。韓国の国民的歌手イ・ムンセ3rdアルバムから「♪雨の中」。雨の降る町を歩きながら、叶えられなかった愛を考えると淋しさと恋しさで涙が溢れてしまうという曲。胸の前で小さく作ったハートをファンは見逃さなかっただろう。
さて再びのトークコーナーはドラマ『根の深い木』。有名作家イ・ギョンミョンの同名のベストセラーミステリー小説をベースにドラマ化。朝鮮王朝第4代世宗王の時代、ハングル創設の過程で起きた殺人事件を調査する役人チェユンを演じたのがチャン・ヒョク氏だ。アクションにサスペンス、様々な要素がある中で彼が出演を決めたのはラブストーリーだからという理由。主演は韓国を代表するハン・ソッキュ、実力のある俳優、スタッフ陣が集結した。なにより高校三年から演技を始めた彼に演技指導してくれた恩師との共演は大きな意味を持った。
朝鮮王朝時代の丁寧な時代考証で世宗大王の偉業を新たな視点で描き、美しい映像で洗練されたフュージョン時代劇になった事が高視聴率に繋がった。

チャン・ヒョク

日本の某番組でお馴染みのサイコロトークはチャン・ヒョク氏の素顔を覗き見ようというもの。「役に立つ話」では肌の美しさが話題に。“美肌は生まれつき!”と彼、それでも若い頃から規則的な運動は欠かさない。「情けない話」というお題では入隊中に日本から送られてきたプレゼントのエピソード。日本語が解る人が誰もいなかった為、パッケージの絵をお手本に使用。ひたいと胸に当てる熱さましシートだった模様。良く眠れたという彼に、胸に当てるシートはないと思うけれど、とMC。会場の反応も少々冷ややかだ。チャン・ヒョク氏は最後まで“本当だよ!”と繰り返す事になった。
ジェスチャーゲームはさすが演技のプロ、会場からはすぐに正解の声。正解が多かった2階席には自らプレゼントを携えて足を運んだ。
歌は上手くはないが一生懸命歌うと彼。キム・ヒョンシク氏亡き後に後輩達がリリースした6集から「♪雨のように音楽のように」。

演技学校で学んだ事、それは「俳優はファンの声援や応援があってこそ存在価値がある」という事。このような場で力を頂くことで、撮影現場で演技に励むことが出来ると改めて感謝の気持ちを伝えた。三方に丁寧に挨拶するチャン・ヒョク氏、緞帳が降りきる瞬間までファンとの時間を惜しむようにしゃがんで手を振って見せた。

会場ではこの後、握手会、団体撮影会が行なわれた。チャン・ヒョク氏は丁寧にお一人お一人と握手し、笑顔で団体写真に納まった。

オフィシャル写真提供:© AK100PROJECT/ANNEX M&C

【今日の一言】

高い人気を得てもなお、驕らない真面目で丁寧なチャン・ヒョク氏の態度にいつも感心する。
2012年の目標は「短く話す事」だそうだが、彼の良いところは詳しく話してくれる事。彼のファンは話を短くすることなど誰も望んでいないだろう。 私も機会さえいただけるならば、じっくりと演技論を伺ってみたい。勿論制限時間はなしに。



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