上野まり子のアジアンスター

『ロマンチックヘブン』チャン・ジン監督が描く<天国>とは インタビュー

チャン・ジン監督

こんにちは 上野まり子です。
現在開催中の「真!韓国映画祭2012」、5月15日には開催に先駆けて『ロマンチックヘブン』プレミア試写会が行われ、チャン・ジン監督が来日し舞台挨拶とQ&Aが行われた。
また同日には滞在ホテルにて映画誌のライターとの共同インタビューの光栄に与った。
まずはそのインタビューから。
チャン・ジン監督とは当時放送していた『上野まり子のアジアンスターインタビュー』に出演していただいたのが初の出会い。NHK主催の映画祭で「My son 〜あふれる想い〜」が上映され、その為に来日したチャン・ジン監督へのインタビューがきっかけだ。その後、チャン・ドンゴン主演映画『グッド・モーニングプレジデント』の上映の際にも取材でお会いしている。
にこやかに出迎えてくれたチャン・ジン監督、私は“お久しぶりです”と日本語で挨拶した。
『ロマンチックヘブン』は4つのパートのオムニバス形式で、舞台には死に直面する病院が選ばれた。<死>を通して<愛>が語られる。その<愛>とは恋愛の<愛>だけではなく、親子や祖父母と孫など<家族愛>が描かれている。それは監督自身が妻や子供という家族が出来たという生活の変化も反映されている。
さて結婚したばかりの若いライターには、初恋の人に会いたがる祖父の願いを、孫が叶えてあげるというストーリーが残酷だと映ったようだが、監督にとってはそれも<愛>の形。そのやり取りを聞いていた私は、長い人生には良くある話ではないかと一言感想を述べた。すると監督は大笑い。上映中でネタばれになるのでこれ以上はお話できないが、チャン・ジン監督は<死>の向こう側にあるであろう<天国>をあたかも見てきたかのように描く。そこには音楽が溢れている。天国に行った人がゆったりと気が休まる空間を作りたかったという監督、人は音楽によって安らぎを感じるはずだと答えた。そして監督の<天国>とは少しの間<この世>にいた者が、長い間留まるところという認識だ。

ここでインタビューはちょっと小休憩という雰囲気。そこで日本の作品などの話をした流れで、女優になるにはどのような勉強をすれば良いかと質問してみた。その答えは勉強などする必要がないというもの。そこで私は大胆にも“じゃぁ、監督の作品に出演させて!” このやり取りは勿論何度もお会いしているから出来た会話だ。監督が指で示したのは半○、“せりふがない役ね。”とここでも一笑い。実は今作には日本人が出演している。監督の友人のミュージシャンで22歳位。目がとても良かったからとその経緯を紹介してくれた。
映画エンディングには天国から音楽が姿を変えて降り注ぐ。それは反射光が美しかったから。“実写?どのくらいの量?”とたたみかけた私に“信じたの!”とチャン・ジンスマイルでインタビューは終了となった。

今作『ロマンチックヘブン』は、これまでと違い全編コメディーというわけではなく、死を通して別れる人々を題材にしている。
ただし、作品の傾向が変わったわけではなく、次回作ではまたコメディーになると監督。ある題材の元に監督は映画を作るが観客の見方や解釈は其々自由で良いというのがチャン・ジン監督の考え。
監督が断言して描いた<天国>、あなたも劇場に確かめに来てみては!

「上野まり子のアジアンスタービュー」内、関連記事
http://uenomariko.jp/asia/120512/


真韓国映画祭
「真!韓国映画祭2012」
期間:5月26日(土)〜6月15日(金)
会場:k’s cinema(新宿区新宿3丁目35-13 SHOWAKAN 3F)
(名古屋、大阪、ほか全国順次開催!)
主催:キノアイジャパン
配給・宣伝:キノアイジャパン
配給・宣伝協力:オリオフィルムズ
後援:プラザマルマン、マルマン会館、タイムストーリー、株式会社KRコンテンツグループ
駐日韓国大使館 韓国文化院、韓国観光公社
協賛:株式会社ハンスキンジャパン
チケットのお求めは  @韓流ぴあチケット
映画祭公式HP http://blog.livedoor.jp/kinoeye



真韓国映画祭
『ロマンチックヘブン』
2011年/117分
監督:チャン・ジン
出演:キム・スロ、キム・ドンウク、キム・ジウォン、イ・スンジェ
【ストーリー】
逝ってしまった最愛の妻が大切にしていた赤いカバンをさがす男
初恋の人に会いたがる祖父の願いを叶えてあげたい青年
闘病中の母を助けたい少女、彼らの切実な想いが、奇跡をおこす。




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