上野まり子のアジアンスター

韓国映画『拝啓、愛しています』本日公開

イ・スンジェ
          ユン・ソジョン
キム・スミ
          ソン・ジェホ
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こんにちは 上野まり子です。
今日は本日12月22日(土)公開の韓国映画『拝啓、愛しています』をご紹介する。
物語の主人公は黄昏期の4人の男女。大切な人といつまでも共に幸せな老後を送りたいと願う気持ち。そんな小さな願いもままならぬ現代。彼らはそれぞれ愛する人を想い、友情を育み、支えあう。人に生きる力を与え、人生を優しい眼差しで描いていくちょっぴり切なく、それでも温かな気持ちにさせてくれる映画だ。
夜明けの路地裏を古びたバイクで牛乳配達をするマンソク役は国民的俳優イ・スンジェ、口が悪く気難しいが心温かい人物。本作で中国のアカデミー賞と言われる金鶏百花電影節・百花奨外国語映画主演男優賞を受賞している。身寄りもなく、文字すら読めないイップン役は映画、テレビ、舞台で幅広く活躍する演技派女優ユン・ソジョン。古紙回収の重労働で得る僅かな収入で侘しい一人暮らしをしている。そんなイップンに優しくする駐車場の管理人クンボン役には多くのドラマで父親役としておなじみのソン・ジェホ。認知症の妻を愛し、看病をしながら生きている。子供のようになってしまったクンボンの妻役はウィットに富んだ演技で人気のキム・スミ。マンソクとイップンの心温まる出会いと愛のストーリー、そしてクンボン夫妻の深い愛、それぞれの出会いで紡ぐ新たな友情や深い愛をベテラン俳優が見事に表現している。原作は感情豊かで独特なストーリーを得意とするオンライン漫画家カン・プルのベストセラーコミックス「レイト・ブロッサム(あなたを愛しています)」('07)。高齢者を題材にしたストーリーが読者に受け入れられるか、若く魅力的な男女の恋愛物語より愛しいラブストーリーに成りうるのかと疑問に思いつつ、半ば賭けだったという。作品の多くが映画化されている中、本作はキャラクターの愛らしさ、心温まるメッセージの再現で最高傑作といえる。翌2008年には舞台化され異例の12万人を動員、ロングランヒットを記録した。さらに2011年映画化され、動員数160万人を突破し、大好評を得た。
監督は「マパド」('05)の大ヒットで知られるチュ・チャンミン。最新作はイ・ビョンホン主演の映画『王になった男』(2013年2月日本公開)。
製作チームは映画と原作のイメージが崩れないように細心の注意を払った。そして最も力を注いだのは主役のキャスティング。また絵に描いたような完璧なロケ地を見つける事が必須だった。監督が最も思い入れがあるとしたのはマンソクとイップンがはじめて出会う美しい雪に覆われた冬の路地裏のロマンチックなシーン。通常3日間かける撮影を雪の量の都合もあり一日で撮り終えた。息を呑むような映像にスタッフ、キャスト共に苦労の甲斐があったと実感した。
妻に先立たれた男と身寄りのない女。ある出会いをきっかけにお互いの事を気にかける二人、一方長年妻を優しく看護し支え続ける夫。大切な人を思いやる気持ちが人生をいかに豊かにし、輝かせるかを再認識させる。劇中マンソクに言わせる“人生とは慣れることだ”は強い印象を受けた。
また上質で現代的な感性を作り上げるため、音楽監督カン・ミングクは洗練され、温かみのあるトーンで知られるミュージシャンを起用、中でもエンディングに流れる“大切なあなたの手を握り、一緒に歩いていく・・・”はシンガーソングライタールーシッド・フォールの歌詞、穏やかで心優しくなる。 ぜひ劇場で! /p>

『拝啓、愛しています』
拝啓、愛しています
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12月22日よりシネスイッチ銀座、シネマート新宿ほか全国順次公開
公式サイト

【概要】
タイトル:『拝啓、愛しています』
監督:チュ・チャンミン
原作:カン・プル
出演:イ・スンジェ『イ・サン』、ユン・ソジョン、キム・スミ、ソン・ジェホ、ソン・ジヒョ、オ・ダルス
配給:アルシネテラン

【ストーリー】
マンソクは、牛乳配達で小遣い稼ぎをしながら引退生活を送っている。毎朝、配達中にすれ違う女性 イップンが転んだところを助けたことがきっかけで、彼女の存在が気になり、毎朝の出会いを心待ちにするようになる。そんな二人の恋の行方を温かく見守るグンボンは、いつもイップンに親切にしている駐車場の管理人。認知症の妻を献身的に介護する彼は、イップンを介してマンソクとも親しくなる。人生の黄昏時に思いがけない出会いを果たし、まるで若者のように楽しい日々送る彼らの穏やかな日々は永遠に続くかに思えたが…。




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