3月11日「東日本大震災1周年追悼式」に寄せて

国立劇場

こんにちは 上野まり子です。
2012年3月11日、あの東日本大震災から1年を迎えたこの日、各地で犠牲者追悼の会が執り行われている。東京国立劇場に於いても、天皇皇后両陛下の御臨席のもと、政府主催「東日本大震災一周年追悼式」が行なわれた。昨日までの雨も上がり、青空も広がったが春と言うにはまだ肌寒い東京。会場には野田佳彦首相ら三権の長、被害地から遺族代表など約1200人が参列した。
「東日本大震災から1周年、ここに一同と共に震災により失われた多くの人々に深く哀悼の意を表します。・・・」と始まった天皇陛下のお言葉は、震災の犠牲者に止まらず、命を顧みず救助や防災に尽力した人々を悼み、また原子力発電所事故で避難を余儀なくされている人々にも心を寄せ、加えて各国の支援への感謝の辞も込められた。「・・・、今後、人々が安心して生活できる国土が築かれていくこを一同と共に願い、御霊への追悼の言葉とします。」と結ばれた。
2月18日心臓の冠動脈バイパス手術を受けられたばかりの天皇陛下はこの追悼式への出席を強く望まれたそうだ。震災直後から被災地や原発事故による避難先に何度も足を運ばれ、遺族や被災者をお見舞いなさった両陛下にどんなに多くの人々が励まされただろう。国民と共に歩むという姿勢を自ら示されるお姿に何度も感動を覚えた。

国立劇場

「東日本大震災一周年追悼式」が行われた国立劇場は物々しい警備、周辺は政府要人や各界の黒塗りの車が列を成す。私もしばしば止められ職務質問を受けた。ちなみに私のオフィスは半蔵門にあり、国立劇場とは3分の距離だ。

御車

丁度、両陛下を乗せた御車が国立劇場敷地内に入って行くところ。歩道を外れて国立劇場の敷地に一歩でも足を入れようものなら“ここからは入らないで下さい”と厳重な警備だ。

半蔵門には報道各社のTVカメラ、スチールカメラが立ち並び、一般の方も両陛下のお姿を一目見ようと大勢集まった。
時計はまもなくあの時を指そうとしていた。その時誰かが“黙祷!” 2時46分。

天皇陛下の体調を考慮して、時間を短縮しての御臨席。追悼のお言葉を述べられたあとまもなく国立劇場を後にする。
御退場の際には何度の何度も足を止め列席者に会釈をなさっていたのが印象的だった。

御車

御車

国立劇場から皇居半蔵門は僅かな距離。まもなく天皇皇后両陛下の御車が半蔵門に帰って来た。大勢のお出迎えに手を振って応えられる皇后様。

御車

御車

震災1周年を迎えるにあたり、各テレビ局も特番を組んで当時の状況を再検分している。 いまだ復旧もままならない状況の中、それでも残されたものは懸命に生きなければならない。今、私に出来る事は何かと問う中、このコーナーの最初にこの記事を掲載することにした。

2012/3/12  掲載






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