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イ・ホンギ主演映画『フェニックス〜約束の歌〜』プレミアムイベント 取材レポート

『フェニックス〜約束の歌〜』プレミアムイベント

 こんにちは 上野まり子です。
今年6月7日に日本公開となった映画『フェニックス〜約束の歌〜』。余命宣告を受けた末期患者たちの終末期ケア施設であるホスピスを舞台にした感動のヒューマンドラマだ。8月26日には日本公開を記念してプレミアムイベントがパシフィコ横浜国立大ホールで開催された。出演は本作が映画初主演となった韓国人気ロックグループFTISLANDのボーカル イ・ホンギ、実力派俳優マ・ドンソク、イム・ウォニ、そして若手実力派女優ペク・ジニ、人気子役チョン・ミンソ。

ダンスパフォーマンスで幕を開けたイベントはマ・ドンソク氏、イム・ウォニ氏、チョン・ミンソちゃんが次々に登場。そしてイ・ホンギ氏とペク・ジニさんが並んでステージ中央へと歩みを進めると大きな歓声が上がった。勢ぞろいした出演陣は其々日本語で挨拶した。

イ・ホンギ

 早速のトークコーナーでは演じたチュンイの最初のわがままなところが似ていたとイ・ホンギ。ペク・ジニはイ・ホンギの第1印象として悪戯好きだったと明かすとホンギは「僕の方がいじめられた」と異議を申し立てるなど、仲の良さを披露した。迫真の演技で多くの観客を泣かせたマ・ドンソクは元バンドマン、その経験は劇中での20年ぶりのドラム演奏に役立った。また日頃鍛えた肉体は迫力のアクションシーンを生み出した。この日の為に歌を用意してきたというイム・ウォニはあまり期待しないでと前置きした。そして可愛い声の日本語で「お会いできて嬉しいです」と挨拶したミンソちゃんは大先輩達に囲まれて演技を学ぶ事が出来たし、楽しかったと笑顔を見せた。

イ・ホンギ/ペク・ジニ/チョン・ミンソ/マ・ドンソク/キム・ウォニ

 イ・ホンギライブステージはチュンイが劇中で最初に歌った「♪Good bye Rough」。一人で歌うのは寂しかったと彼。改めて多くのファンの来場に感謝した。「今日はチュンイとしてのステージ、FTISLANDの事は忘れて!」と続いて「♪Jump」アコースティックバージョン。するとミンソちゃんがいつの間にかステージに。そしてカメラでカチャリ、映画冒頭のシーンの再現だ。続いて其々が登場し名場面を日本オリジナルアクトで再現した。最後は映画エンディングのように全員で記念写真撮影。

 ミュージカルのようで楽しかったとホンギ、続くトークコーナーでは「どの人が優しかった?」にミンソちゃんは皆優しかったので一人だけ選ぶのは難しいと大人顔負けの答え。ブレークダンスだったという微妙なダンスと歌で会場を沸かせたウォニ氏は「物議をかもしてすみません」と一言。

 続いて各々印象に残ったシーンを映像を観ながら振り返るというコーナー。イ・ホンギが選んだのは母親との回想シーン。チュンイの心の奥深いところを表現したシーン。マ・ドンソクは死を前にセルフビデオを撮るシーン。ミンソちゃんは極寒の中3日を費やして撮ったキーボードを演奏するシーン。

 お次は「あなたが選ぶあの人のベストシーン」。其々が共演者のベストシーンを選んで披露。「イム・ウォニ先輩は普段とても真面目だが、演技はコミカル」とペク・ジニ。ウォニは余命いくばくもない人物を、物につまずく事で暗示したと明らかにした。そう言うイム・ウォニはホンギが劇中で親子にギターの弾き語りをするシーンを上げて歌の実力を高く評価。そのホンギはマ・ドンソクの死に逝く人の繊細な演技に鳥肌が立ったと絶賛、「素晴らしいです、先輩」と改めて賛辞の言葉を贈った。マ・ドンソク氏は「まずはありがとう」と感謝の言葉。俳優は複合的な感情を表する必要があり、特にあの場面は難しかった。 人の死に直面する事はあまりない中、死そのものについても学び、努力したと語った。

 出演者がボードに絵を書いて答える「フェニックス カルトクイズ」で盛り上がった後はガールズトーク。ジニは生きている事に感謝し、両親にも感謝の気持ちを伝えたという。ミンソちゃんは真心を込めた演技で伝えることができる女優になりたいと豊富を述べた。続くメンズトークではホスピスという重いテーマを扱った作品だが、現場は明るかったとウォニ。普段は集中力を欠く事もあるホンギだが、撮影本番になると魅力的だったと紹介。ホンギは「ウォニ先輩は集中力が高く、演技に入ると凄い!」と賞賛の言葉で返した。一方マ・ドンソクは「ホンギとの撮影は面白くエネルギーに溢れていた」と紹介。ホンギは昼食のトラックが近づくとおかず当てをしたと楽しそうにエピソーとを語った。

 マ・ドンソクはウェルビーダイングを扱った作品で多くの方に観てほしいとメッセージ。イム・ウォニはこの作品への出演をきっかけにホスピスを知り、周りの人々を知るチャンスになったと語った。イ・ホンギは人生を振り返るきっかけを作ってくれる作品だと映画に込められたメッセージを改めて紹介した。

 イ・ホンギ、いやチュンイ次のステージは新しいアコースティックギターを弾きながらの「♪君と永遠に」しんみりと歌うその独特の声が会場に鳴り響いた。
 イ・ホンギライブステージと合わせて、この日のメインイベントとなったのは出演者全員でのセリフのリーディング。さすがはトップ俳優たちが集まった素晴らしいステージ、映画の各シーンが思い出され、大きな感動を覚えた。

イ・ホンギ

 さて、日本公開の為に作られた「♪オレンジの空」、スクリーンには名場面が映し出された。 この日のキャストからのビデオレター。ジニは一生懸命生きる事を学んだと。マ・ドンソクは多くの事を考えさせられた作品。イム・ウォニは「死」は暗いだけのものではないと其々メッセージした。

イ・ホンギと不死鳥バンド

 再びステージに勢ぞろいしたキャストたち。「♪Jump」で一日限りの不死鳥バンドが蘇った。温かなステージにファンも総立ちとなった。
 出演者は其々最後のメッセージ。イ・ホンギは「本当に、本当にありがとう。自分の人生と周りの人を大切にしましょう」と挨拶。アーティストとして、俳優としてがんばると誓う彼、「今ツアーの準備中。また遊ぼう!」の言葉を最後にイベントは終演となった。

『フェニックス〜約束の歌〜』公式ページ
■FTISLAND秋のライブツアー 10月全国のZeppにて開催
FTISLAND 公式サイト
FTISLAND ファンクラブサイト

【今日の一言】
 K-POPアイドルたちが次々の映画やドラマに進出している昨今。どうしてもアイドルが主演となると軽い作品と見られる傾向にある。またアイドル映画、ドラマ進出・・・。かく言う私も最初はそのように思った。但しイ・ホンギのことはデビュー当時から注目していたし、何より子役出身だから試写は観ておくべきだと思ったのだ。そのような状況で観たが、それは間違いであった事がはっきりと解った。今作はアイドル作品とは一線を画している。それはともすれば重い題材になりがちな「死」や「ホスピス」を扱いながらも「生」の素晴らしさや大切さを優しい語り口で表現しているところにあるのかも知れない。主演のイ・ホンギも素晴らしかったが、マ・ドンソク、イム・ウォニの素晴らしい演技に感動した。特にマ・ドンソク氏の「逝く時」のシーンや生前最後に残したビデオには涙が頬を伝わり、拭うことさえ忘れるくらいだった。皆様にも是非ご覧いただきたい作品だ。

―当サイト内関連ページ―
★「フェニックス〜約束の歌〜」★
★「フェニックス〜約束の歌〜」舞台挨拶レポート★

【作品概要】
『フェニックス〜約束の歌〜』


フェニックス~約束の歌~ Blu-ray スペシャル・エディション
フェニックス~約束の歌~ DVD スペシャル・エディション

2013年/韓国/100分
監督ナム・テクス
出演イ・ホンギ、マ・ドンソク、イム・ウォニ、ペク・ジニ
配給:東宝東和
配給協力:東宝映像事業部
提供:KJ-net
【ストーリー】
トップアイドルとして日々を気ままに過ごすチュンイ(イ・ホンギ)は、些細なことで暴力事件をおこし、社会奉仕活動として末期癌患者のホスピスに行かされる。そこで出会ったのは一癖も二癖もある人間ばかり。社会奉仕にもおざなりなチュンイの監視役で口うるさいアンナ(ペク・ジニ)、腕の刺青をちらつかせては煙草をねだるムソン(マ・ドンソク)、病院を抜け出して酒場に行くボンシク(イム・ウォニ)に、なんでもかんでも激写する女の子ハウン(チョン・ミンソ)。 病人とは思えないその振る舞いにあきれるチュンイだが、奉仕活動を早く終わらせるため彼らのバンド“フェニックス”の面倒をみることに。腕前は素人なのに文句の多いメンバーにチュンイは苛立つが、彼らの本当の思いを知った時、チュンイの中で何かが変わっていく。

★日本公開エンディングソング曲「オレンジ色の空」★
<FTISLAND(アルバム「RATED-FT」収録>


RATED-FT(通常盤)
FTISLAND(アルバム「RATED-FT」
RATED-FT(初回限定盤A)
発売元:WARNER MUSIC JAPAN)



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