上野まり子のアジアンスター

チョン・ウソン主演映画『愛のタリオ』2015年2月7日(土)公開

愛のタリオ
© 2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
2015年2月7日(土)
シネマート新宿、心斎橋ほか全国順次ロードショー
公式サイト

こんにちは 上野まり子です。
『私の頭の中の消しゴム』では自分を愛した記憶をなくしていく妻を傍で見守る夫 を演じ、日本中を、いやアジア中を涙に包み、『MUSA-武士-』『グッド・バッ ド・ウィザード』では男性的な美しさの極限を表現。また『監視者たち』ではやっ てみたいと言っていた悪役への変身を遂げたチョン・ウソン。今度は自らの欲望の ため破滅していく今までにないキャラクターを演じた。それも美しい肢体をあらわ にして。『愛のタリオ』(原題「マダムペンドク」)、「タリオ talio」とはラテン 語で“目に目を、歯には歯を”で知られる被害者が受けた害を、加害者に加える制裁 の意を表すそうだ。

愛のタリオ
© 2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

 チョン・ウソンが演じたのはソウルの大学教授ハッキュ。物語は彼が片田舎に降り 立った所から始まる。その田舎町で生まれ育った少女ドク。突然現れた都会的で洗礼されたハッキュに憧れ、彼女は処女を捧げた。しかし美しき純愛に裏切りが訪れたとき、純朴な少女は憎悪によって危険な女へ変貌していく。また父親を恨みつつも複雑な 感情を抱くハッキュの娘チョン。物語は、教師と生徒の禁断の愛に始まり、不倫、 裏切り、欲望、嘘そして死が絡み合い、予想だにしない展開へと進んでいく。

 監督は常に人間の根底に潜む欲望を描き続けるイム・ピルソン。『南極日誌』では エゴイズムのよって破滅していく男たちを、『ヘンゼルとグレーテル』では西洋の 童話を全く新しい解釈によって大人の欲望によって歪められた純粋な子供を見事に 描き出した。そして本作では盲目の父親の目を治すために海に飛び込み犠牲となっ た娘を描き、親孝行と美徳と称される韓国民話「沈清伝(シムチョンジョン)」を 赤裸々な人間の愛と欲望の童話として生まれ変わらせ、嫉妬によって人生を狂わせ 破滅していく男女の情愛を見事に描き出した。

 イム監督の、二人のキャラクターを際立たせるためにリアルさを追求したいという 要望に見事に応えたのは『国家代表』『タチャ イカサマ師』『アジョシ』『泣く 男』など数々のヒット作を手がけているヤン・ホンサム美術監督。また二人が出会 う印象的な桜舞い散るシーンは製作陣が桜満開の時期10日間に合わせてロケハンと 撮影スケジュールを調整したという。2014年トロント国際映画祭において俳優たち の演技力、美しい背景とビジュアルは絶賛された。

愛のタリオ
© 2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

 ニーチェの言葉に「復讐と恋愛において女は男より野蛮である」とある。エロティシ ズム、そして執着と狂気。美しき純愛に裏切りが訪れた時、男と女は破滅へと堕ち て行くー愛欲サスペンス『愛のタリオ』、2月7日(土)シネマート新宿他で公 開。

愛のタリオ
© 2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
2015年2月7日(土)
シネマート新宿、心斎橋ほか全国順次ロードショー
公式サイト

【概要】
『愛のタリオ』
2014年/韓国/112分/5.1chサラウンド/日本語字幕:朴澤蓉子/R18+! 監督
イム・ピルソン『南極日誌』『ヘンゼルとクレーテル』
主演
チョン・ウソン『私の頭の中の消しゴム』『監視者たち』
イ・ソム『サイコメトリー』
パク・ソヨン『レッド・ファミリー』
キム・ヒウォン『泣く男』
公式サイト ainotalio.com 
(c)2014 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
配給:CJ Entertainment Japan

【ストーリー】
ソウルの大学で不祥事に巻き込まれ、片田舎の講師として赴任してきた教授ハッキ ュ(チョン・ウソン)は、退屈な毎日に懲り懲りしていた少女ドク(イ・ソム) と、激しい愛にれる。しかし、ハッキュは復職することになり、ドクに手切れ金を渡して別れよとする。時を同じくし、ハッキュのうつ病の妻は、娘の前で自殺し てしまう―! 8年後、ハッキュは作家として名声を浴び放蕩な日々を送っていたが、高校生にな った娘のチョン(パク・ソヨン)は母親の自殺が父親のせいだと思い憎しみを抱い ていた。ハッキュは病気で徐々に視力を失って行く。全てを失いかけたハッキュの 前に現れた女セジョン。目がほとんど見えないハッキュはセジョンがドクだとは気 づかず依存していく。ドクなしでは何もできなくなってしまったハッキュ、そして 二人の関係に気づき嫉妬をするチョン。三人の危険な関係の中、ついに全てを手中 に収めたドクは、ハッキュを破滅に導くが…

「上野まり子のアジアン・スターインタビュー」



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