上野まり子のアジアンスター

第29回東京国際映画祭開幕 会期は2016年10月25日〜11月3日

第29回東京国際映画祭
© 2016 TIFF

 こんにちは 上野まり子です。
いよいよ10月25日(火),「第29回東京国際映画祭」が開幕する。会期は11月3日(木)までの10日間。会場は六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか歌 舞伎座や都内の各劇場、施設、ホールなど。また多くの映画祭やコンテンツマーケットなどとの 連携もあり、年々その規模は拡大傾向にある。

 ディレクター・ジェネラルの椎名保氏は「東京国際映画祭」コンセプトについて、世界中から集 まった優良な作品の国内外へ向けた映画情報発信基地、クリエーターたちには世界へ羽ばたくス テージの提供、未来の映像作家や映画ファンの創出に加え、誰もが参加できる映画祭との4つを 上げ、「作品重視の映画祭」として映画を通じてのコミュニケーションの場としての役割を担って いくとしている。

「コンペティション」部門には2016年1月以降に完成した長編映画を対象に世界98カ国、1502 作品の応募があり、その中から厳正な予備審査のもと16作品が選出され上映となる。「フィクサー」、「天才バレエダンサーの皮肉な運命」、「空の沈黙」、「ダイ・ビューティフル」、モノクローム作品の「ミスター・ノー・プロブレム」、「ジェット・スキン・パパ」、日本からは「雪 女」、「アズミ・ハルコは行方不明」の2作品が出品される。今年は難民、移民など社会性を題材 としたものが多く世界情勢を反映した作品が多い傾向となったという。

 また、「アジアの未来」部門はアジアの新鋭監督作品をいち早く上映するアジア・コンペティ ション部門。長編映画3本までの新鋭監督の作品の中からアジア圏の映画界のこれからをリード する作品が上映される。「最優秀作品には「アジアの未来 作品賞」が贈られる。

 さらに、日本映画の海外への飛躍を強く意識し他部門「日本映画スプラッシュ」部門では日本 のインディペンデント映画の中から個性的でチャレンジ精神に溢れる8作品が監督のキャリアを 問わず紹介される。また場外乱闘編として3作品が紹介される。 ※「日本映画スプラッシュ」 ! 「特別招待作品」部門はこの秋から冬にかけて公開される話題作をいち早く上映。会期中には国 内外のスターたちも駆けつけ、映画ファンとのふれあいの場も用意されている。

 過去1年の日本映画を振り返り、現在日本を代表する作品の映画祭独自の視点でセレクション した「Japan Now」部門では、気鋭の映画監督をピックアップし特別上映が行われる。すでに公 開され、大人気の「シン・ゴジラ」や「君の名は。」も公開前に選出されていた事から、プログ ラミング・ディレクターの目も勿論確かなものということになるだろう。また「Japan Now監督 特集」は岩井俊二。「Love Letter」や待望の実写長編作「リップヴァンウィンクルの花嫁」など も上映される。
※「Japan Now」部門

「ワールド・フォーカス」部門では世界各国・各地の映画祭受賞作品や話題作、まだ日本では上映されていない有名監督の新作や日本未公開の作品を取り上げ上映となる。「TIFF」がきっかけ となり半数以上の作品が日本公開となり、この「ワールド・フォーカス」は世界の話題作のショー ケースとも言える。

 日本と東南アジア地域を中心に様々な文化交流事業や支援活動を行っている「国際交流基金ア ジアセンター」との共同企画第「CROSSCUT ASIA」の第3弾は多様性を内包すると言われるイ ンドネシアの特集。毎年好評の特別ブックレットには日本が誇る国際派スター、ディーン フジオ カのスペシャルインタビューが掲載される。

 一つのテーマを3人の監督がオムニバス映画を共同製作する「アジア三面鏡」第一弾は「アジ アで共に生きる」がテーマ。ブリランテ・メンドーサ、行定勲、ソト・クォリーカーの3監督が日 本、フィリピン、カンボジアを舞台に心打たれるストーリーを描いている。

雨月物語 「日本映画クラッシック」部門では歌舞伎座スペシャルナイトとして尾上菊之助の舞踊「鷺娘」公演。「忠臣蔵」デジタル最長版や「血煙高田の馬場」の特別上映や「雨月物語」や「浮雲」な どの日本の名作映画の4K復元版や4Kデジタル・リストア版が上映される。

 今回新設となる「ユース」部門は少年少女が主人公の映画で世代を問わずに見てもらいたい映 画の特集。「TIFFチルドレン」は3歳から小学生を対象に、「TIFFティーンズ」は中高生を対象に、 これからを担う日本のTEENSたちの人生の指針と出会ってもらおうという企画だ。

 さらに「時をかける少女」や「サマーウォーズ」など人気アニメの監督細田守の世界初の大規模特集も行われる。
 今年は女性監督や映像のデジタル化により他業種から監督として参加した作品もあるとの事だ。

ジャン=ジャック・ベネックス  コンペティション部門審査委員長は映画監督・脚本・プロデューサーであるジャン=ジャック・ベ ネックス氏、その他世界的な映画人で構成された審査委員のもと各賞が選出され、クロージング セレモニーにて発表される。

黒木華





 今年のフェスティバル・ミューズに選ばれたのは「東京オアシス」('11)で映画デビューを果 たして以来、映画・テレビ等多くの作品に出演しており、「小さなおうち」(’14)で第64回ベ ルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した黒木華。主要なオフィシャルイベントで活躍する。 !  さて、映画祭の目玉とも言えるオープニングやクロージン作品。ハリウッドスター等国内外のス ターたちが、イベントを華やかに盛り上げる。

マダム・フローレンス!夢見るふたり
© 2016 Pathe Productions Limited. All Rights Reserved

 今年のオープニング作品は「マダム・フローレンス!夢見るふたり」。主演のメリル・ストリープ の来日も予定されており、ハリウッドの大女優と登場とあって映画祭オープニングセレモニーも一 層華やかなものになりそうだ。

聖の青春
© 2016「聖の青春」製作委員会

 クロージング作品は将棋の世界から「東の羽生、西の村山」と詠われた実在の棋士村山聖の生 涯を描いた「聖の青春」。松山ケンイチや東出晶大、染谷翔太など日本を代表する人気俳優が出 演している。

マーチン・スコセッシ監督 黒澤清監督

 そして、すでに受賞者が発表されている部門もある。
常に時代を斬り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える「SAMURAI 賞」は開設から3年、今年は『沈黙 -サイレンス-(2017)』、『ディパーテッド(2006)』、 カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品『タクシードライバー(1976)』のマーティン・スコ セッシ監督と『岸辺の旅(2015年)』 、『トウキョウソナタ(2008年)』、『CURE(1997 年)』の黒沢清監督に贈られる事が決定している。 !  昨年設立された、日本映画界への貢献が目覚ましい方々へ贈る 「ARIGATO(あ りがとう)」賞には「君の名は。」の新海誠監督、NHK「連続テレビ小説」ヒロ イン役などで今最も注目を集めている女優・高畑充希、日本映画界を代表する男優・ 妻夫木聡。また長年国内外に高い人気を誇り世界に類を見ないキャラクターゴジラ にも贈られることとなった。

 会期中、映画の上映は勿論、普段なかなか接する事の出来ない映画人達との交流イベント等も 多く開催される予定。関連行事など盛りだくさんだ。秋の日、映画芸術の世界に浸るのも素敵な 事だ。チケット発売中。



第29回東京国際映画祭
© 2016 TIFF

【開催概要】
第29回東京国際映画祭
開催期間:10月25日(火)〜11月3日(木・祝)
会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)ほか都内各劇場および施設やホール等。
主催:公益財団法人ユニジャパン
上映作品リスト
上映スケジュール
TIFFチケットインフォメーションセンター
0120-656-339 (フリーダイヤル) 9:00〜22:00 無休
050-3786-0368 12:00〜18:00 休業:土曜・日曜・祝日(東京国際映画祭期間中は無休)
公式サイト:http://2016.tiff-jp.net/ja/

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